無題

会わなければ募る思い

ただ君の声が聞きたくて

鳴らない電話に手を伸ばしては

溜め息をついてそっと閉じる


君とあれがしたい

君とこれがしたい

そんなことを考えた時もあったけど

今はただ君の隣に居たい

あえてしたいことを挙げるなら

キスがしたい

それ以上は望まない

君の負担にならないように…と

無題

君の部屋

二人きり

不意に途切れる会話

気まずくて少しだけ

繋いだ指先から聞こえる

君の鼓動

私の鼓動

安心できる二つの音


二人きり

世界

子供の頃にすべてだと信じていた世界は

大人になってちっぽけだと感じ

子供の頃に綺麗に輝いていた世界は

大人になって色褪せて見えて

それでも尚

大人になりたくないと

子供のままでいたいと叫ぶ心

この世界が

もう一度素敵なものだと言えるように

全身でただ愛を叫ぶ

『君が好き』


そういえたらどれだけ楽だろう

だけど現実はそれほど簡単にはできていない



君との距離は１メートル

手を伸ばせば届く距離


心の距離は１０メートル

きっと叫べば届く距離




今日も全身でただ愛を叫ぶ

君との距離が縮まりますように

無題

耐えられぬ辛さに

ぼそりと漏らす弱音

『苦しいよ…』

と小さな声

欲しいのは同調

『頑張ったね』の一言

返ってくるのは比較

『お前よりも』の人事


傷ついて流す涙

気づいてもらえない涙

増える闇

癒えぬ病み

たとえそれが傷の舐めあいだとしても

たとえそれが弱者の馴れ合いだとしても

君の言葉は僕の言葉

君の傷は僕の傷

だから僕だけは君を傷つけたりしない